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CVCとA lineの細菌定着率は同等~方法 [critical care]

Infectious risk associated with arterial catheters compared with central venous catheters

CCM 2010年4月号より

ICUに収容される患者には中心静脈カテーテル(CVCs)が留置されることが多い。欧州におけるCVC関連血流感染の罹患密度は、のべ入院日数1000日あたり1から3.1件である。米国では、ICU入室患者における年間のべCVC留置日数は1500万日と概算され、CVC関連血流感染(CVC-BSI)の年間発生数はおよそ8万件と推定されている。

重症患者では血行動態の連続的モニタリングを行ったり、採血を繰り返し行うのを容易にしたりするために、多くの症例で動脈カテーテル(ACs)が使用される。ICUにおけるBSI予防策では、動脈カテーテルの管理よりも中心静脈カテーテルの管理に重きが置かれている。また、動脈カテーテルに関連する感染リスクについて調査した研究は数少ない。このように動脈カテーテル関連血流感染(AC-BSI)にはあまり注意が払われていないが、その理由は、中心静脈カテーテルと比べ動脈カテーテルの留置期間は短く、動脈カテーテルによる感染リスクは低いと思われているからであろう。動脈カテーテルによる感染リスクが低いと受け止められているのは、CDCが2002年に発表した勧告の内容に基づいたものと考えられる。しかし、最近行われた小規模単一施設研究では、AC-BSIの発生率は従来考えられてきたよりも高いことが示唆されている。

一日あたりのCVC-BSI発生リスクは留置期間に関わらず一定であることがいくつもの研究で明らかにされている。さらに、CVCを定期的に入れ替えても、同じCVCを使用し続けた場合と比べてBSI発生率は低下しないことが、複数の無作為化対照試験およびメタ分析1編で示されている。したがって、現行のガイドラインでは、定期的なCVC入れ替えは行うべきではないとされている。CVCと異なりACにはBSIに関する臨床研究のデータはないが、同様の勧告が発表されている。

CVC-BSIの罹患密度を医療の質を示す指標としようとする動きがあり、実際にいくつかの国ではその報告が義務化されている。医療機器関連感染の発生率が医療の質をあらわす指標として用いられるのであれば、満たすべき諸条件がある。その一つが、感染リスクが留置期間に関わらず一定であることである。この条件が満たされていないと、入院期間の長短や診療科が異なる患者間で妥当な比較を行うことができない。また、是正が不可能な危険因子を考慮する必要もある。

CVCsとACsに関連する感染リスクを比較するため、カテーテル関連感染(CRIs)予防策に関する大規模データベースを検討した。発生率、一日あたりの発生リスク、細菌定着の危険因子、CVCs関連感染およびACs関連感染の危険因子についての評価を行った。

方法

研究計画
本研究の計画については、他の先行論文に掲載済みである。かいつまんで紹介すると、多施設無作為化割り当て2×2要因配置法によって、被覆材交換頻度(3日ごとvs 7日ごと)と、クロルヘキシジン浸漬刺入部保護材(CHGIS; BioPatch; Ethicon)使用の有無について比較した。本研究は2006年12月20日から2008年5月20日にかけて、5ヶ所の病院に所在するICU 7施設で行われた。CVCもしくはACを48時間以上留置する必要のある患者を、ICUごとに層別化した上で4群のいずれかに無作為に割り当てた。

対象患者に留置されたACsおよびCVCsの管理は、すべて同じ方法に従って行われた。本研究では、肺動脈カテーテル、血液透析用カテーテルまたはPICCは対象にしなかった。研究に参加したすべての施設において、カテーテル留置および管理はフランスで推奨されている方法(CDC勧告と類似)に従って行った。その方法は以下の通りである。1) ACおよびCVC留置時には高度無菌遮断予防策(maximal sterile barrier precautions)を実施する;2) 留置部位の第一選択は、ACでは橈骨動脈、CVCでは鎖骨下静脈である。;3) 留置部位は、4%ポピドンヨード水溶液で消毒後滅菌水で洗い流し滅菌ガーゼで拭き取り、その後アルコールを主成分とした消毒液(ポピドンヨード5%、エタノール70%;Betadine scrub; Viatris Pharmaceuticals)を用い少なくとも1分間放置;4) 透明な半透過性被覆材(Tegaderm; 3M)を貼付。被覆材はカテーテル留置24時間後に全例で交換し、その後は割り当てられた頻度(3日または7日ごと)に交換した。CHGIS使用群では被覆材交換と同時にCHGISも交換した。被覆材交換の際には、ポピドンヨードアルコール溶液で皮膚を消毒した。

不要と判断されたらカテーテルは抜去した。抜去の一般的なタイミングは、ICU退室時もしくはCRIが疑われたときであった。抜去後、カテーテル先端は培養した(簡易定量培養)。CRIが疑われたときは、カテーテル抜去と同時に血液培養のため末梢血検体を1セット以上採取した。カテーテル培養で細菌定着が認められるか、カテーテル抜去と同時に採取した血液検体で細菌が培養された場合は、割り当て群について関知しない研究参加者がカルテを閲覧した。

定義と評価基準
フランス発およびアメリカ発のガイドラインに準拠した以下の定義を採用した。カテーテルの細菌定着とは、カテーテル先端の定量培養で細菌量が10^3CFU/mL以上の場合を指す。血流感染を伴わないカテーテル関連敗血症は、発熱(38.5℃以上)または低体温(36.5℃以下)、カテーテル先端の細菌量10^3CFU/mL以上、穿刺部位に膿があるかカテーテル抜去によって敗血症の臨床症状が改善、他に感染部位がない、という条件を満たす場合と定義した。カテーテル関連BSIは、カテーテル抜去直前または抜去後48時間以内に採取した末梢血液培養検体1セット以上で陽性、カテーテル先端の定量培養でも陽性、かつ両者とも同じ細菌(同じ種類の細菌で、感受性パターンも同じ)が検出されるか、もしくはカテーテル先端培養陽性が確認されてから2時間以上後に血液培養が陽性になるとともに他に血液培養陽性となる感染源が見当たらない場合とした。血液培養でコアグラーゼ陰性ブドウ球菌が検出された症例では、カテーテルからも同じpulsotypeのコアグラーゼ陰性ブドウ球菌が検出される場合をカテーテル関連BSIと診断することにした。BSIを伴わないカテーテル関連敗血症またはカテーテル関連BSIを、主要なCRIとした。

カテーテルの細菌定着率を主要評価項目とした。したがって、細菌培養が行われたカテーテルのみを解析した。二次評価項目は、中等度以上のCRIの発生率とした。

教訓 米国における中心静脈カテーテル関連血流感染の年間発生件数は約8万件と推定されています。動脈カテーテルによる感染は従来考えられてきたよりも多いことを示唆するデータが発表されています。
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