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人工呼吸中の鎮静と鎮痛~DEX、吸入麻酔薬 [critical care]

Sedation and Analgesia in the Mechanically Ventilated Patient

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine 2012年3月1日号より

デクスメデトミジンはα2作働薬であり、中枢性にノルアドレナリンの放出を阻害する。鎮静作用と鎮痛作用を併せ持つため、ICUで用いるには理想的な鎮静薬である。他の鎮静薬と異なり、呼吸抑制作用がない。ベンゾジアゼピンよりも意識がはっきりしていて意思の疎通がスムーズにできる状態を保つことができ、譫妄が発生することも少ない。デクスメデトミジンは、長時間使用を是とするデータが不足していたため、当初は周術期などの短時間の鎮静のみに適応がある薬剤として米国FDAに認可された。その後、Rikerらがデクスメデトミジン長時間持続静注についての研究を行い、ミダゾラムと比較すると目標鎮静レベルの達成度が同等である一方で、譫妄発生率が低く、人工呼吸日数が短いという結果を得た。別の研究では、デクスメデトミジンを投与されているとオピオイドやその他の鎮静薬の必要量が少なくなり、そのため深い鎮静に陥っている時間が短縮し、人工呼吸離脱およびICU退室が早まり、結果的に譫妄を減らせることが明らかにされている(Table 2)。デクスメデトミジン持続静注の主な副作用は、徐脈と低血圧であるが、ローディング投与を行わず、少量から持続投与を開始すれば回避することができる。また、投与期間が長期に及ぶと投与を中止したときに離脱症候群が発生し、興奮、頻脈、低血圧を呈することがある。

イソフルランやセボフルランなどの吸入麻酔薬は、長年にわたって手術室で用いられてきたが、ICUでの使用は一般的ではない。吸入麻酔薬を鎮静薬として使用するに当たり、麻酔ガスの保全管理が障壁であった。現在ではAnaConDaシステム(Hudson RCI, スウェーデン)という、人工呼吸器に取り付け、麻酔薬を再利用することができる装置を利用すれば保全管理の問題はクリアできる。吸入麻酔薬による鎮静は、秀逸で画期的な方法である。大半の静注鎮静薬よりも吸入麻酔薬の方が薬力学的特性が極めて優れているため、より適切な鎮静レベルを達成することができ、覚醒、抜管およびICU退室までの時間が短縮され、予測もつきやすい。AnaConDaシステムを用いたICUにおけるセボフルラン投与と、プロポフォールまたはミダゾラムとを比較した研究では、セボフルラン群の方が安全性、有効性が勝り、抜管までの時間が短く、オピオイド使用量が少ないという結果が得られている。

教訓 デクスメデトミジンはミダゾラムと比較すると譫妄発生率が低く、人工呼吸日数が短いとされています。投与期間が長期に及ぶと投与を中止したときに離脱症候群(興奮、頻脈、低血圧)が発生します。
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