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成人先天性心疾患患者の麻酔~術前管理 [anesthesiology]

Anesthesia for Noncardiac Surgery in Adults with Congenital Heart Disease

Anesthesiology 2009年8月号より

術前評価
非心臓手術を受ける先天性心疾患患者の術前評価は、麻酔科医、循環器科医、集中治療医および外科医を中心とする各科協力の下に行わなければならない。成人先天性心疾患患者に対する医療資源の有効分配について専門家集団が策定したガイドラインでは、中等度以上または複雑な先天性心疾患のある患者は、地域に所在する成人先天性心疾患センターで管理することが推奨されている。成人先天性心疾患患者では、心機能不良、肺高血圧症、うっ血性心不全またはチアノーゼがあると、周術期リスクがとりわけ高くなる。大手術や、一側肺換気を要したり、腹臥位、頭低位などの体位をとったりする手術では、血行動態に大きな変化が生じリスクを伴う可能性がある。したがって、麻酔科医は患者の心エコーや心カテの結果を踏まえ、その解剖と生理を熟知していなければならない。患者の病態をちゃんと分かっていれば、心内シャントの量や方向に急激な変化を引き起こしたり、肺血流量を増やしたりする原因となりかねない術中イベントを予測することができる。心機能についての詳しい検査が近い過去に行われていない場合は、術前に心エコーを実施する。

前投薬
非心臓手術を受ける先天性心疾患患者の多くは、心臓手術を受けたことがあるので、麻酔のことをよく知っている。不安、身体機能障害、随伴する先天異常(もっとも頻度が高いのは21トリソミー)がある患者もいる。成人先天性心疾患患者は両親と居住していることが多く、様々な心理社会的問題を抱えている頻度が高い。したがって、手術を前にした心の支援が重要である。抗不安薬や鎮静薬の投与には細心の注意が必要である。低換気や高二酸化炭素血症は、肺血管抵抗の上昇を招くからである。特に、もともと肺高血圧症または体循環から肺循環へのシャントがある場合は肺血管抵抗が上昇しやすい。ただし、慢性低酸素血症の患者では、高二酸化炭素血症に対するのと同様にオピオイドに対しても正常な換気応答が維持されている。

心内膜炎予防
AHAは近頃、感染性心内膜炎予防のガイドラインを更新した。専門委員会が過去40年間の文献を渉猟した結果、抗菌薬の予防投与によって防ぐことができたと考えられる心内膜炎はほとんど見あたらないことを明らかにした。その結果、心内膜炎のリスクが特に高い以下の患者についてのみ、術前に予防的抗菌薬投与を行うべきであるという提言を示すに至った:心内膜炎の既往、未治療のチアノーゼ性先天性心疾患(姑息術後を含む)、人工材料または人工機材を使用した根治術後6ヶ月以内(手術、カテーテル治療の別を問わない)、治療後の先天性心疾患であるが人工パッチまたは人工機材のある場所または隣接部に欠損が遺残している(人工物がある場所およびその周辺は内皮化が阻害される)。以上のいずれにも当てはまらない先天性心疾患には、心内膜炎予防を目的とする抗菌薬の予防投与は最早推奨されない。

教訓 低換気や高二酸化炭素血症は、肺血管抵抗の上昇を招くので、抗不安薬や鎮静薬の投与には細心の注意が必要です。術前の予防的抗菌薬投与は、心内膜炎のリスクが特に高い患者に限って行います。
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