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新型インフルエンザによるICU入室~方法 [critical care]

Critical Care Services and 2009 H1N1 Influenza in Australia and New Zealand

NEJM(www.nejm.org) 2009年10月8日

2009年パンデミックA型インフルエンザ(H1N1)ウイルス感染は、北半球における2008年~2009年にかけてのインフルエンザ流行期が終焉を迎える頃にメキシコで発生した。2009年9月6日の時点で、検査で確認された2009H1N1インフルエンザ症例は277,607例で、そのうち死亡例は少なくとも3205例であることがWHOから発表された。オーストラリアおよびニュージーランドでは、2009年6月から8月にかけ、パンデミック(世界的流行)に南半球における冬が重なるという事態に見舞われた。この期間のオーストラリアおよびニュージーランドにおける2009H1N1インフルエンザウイルス感染の発生率は、同時期の米国における発生率の8倍であった。2009H1N1インフルエンザウイルスの流行により、オーストラリアおよびニュージーランドでは病院が提供する医療、特に集中治療部門の需要が大幅に増加した。

北半球の夏期における2009H1N1インフルエンザの重症例の報告数は少なく、冬期に突入してからの集中治療への需要増大を正確に見積もるには不十分である。安全かつ有効なワクチンがうまく配備されれば症例数を抑えることができるであろうが、北半球の冬期における2009H1N1インフルエンザの影響を妥当に予測するには、今のところオーストラリアおよびニュージーランドの人口集団を対象としたデータが役立つと考えられる。また、重症化する危険性の高い症例を同定するのにも、このデータは有用であろう。

本論文では、2009年冬期(南半球)にオーストラリアおよびニュージーランドで発生した2009H1N1インフルエンザ感染確定患者全員についてのICU入室発生率、人口統計学的背景因子、治療法、集中治療関連医療資源の利用状況および転帰を報告する。

方法
オーストラリアおよびニュージーランドに所在するICU全187か所において発端コホート研究を行った。この187か所のICUは、両国に所在するICU(成人、小児、成人小児混合)を全て網羅している。ICUベッド数は総計1879床、そのうち1499床に人工呼吸器が設置されている。各ICUで所属施設の倫理委員会の承認を得た。各患者からの書面による同意はいずれの施設でも不要とされた。

2009年6月1日から2009年8月31日にICUへ入室した2009年パンデミックA型インフルエンザ(H1N1)ウイルス感染確定例全例を対象とした。2009H1N1インフルエンザの診断は、PCR法または血清検査で確定した。2009年パンデミックA型インフルエンザ(H1N1)ウイルスもしくは季節性インフルエンザウイルス亜型(以前から存在するH1N1株[Aソ連型]およびH3N2株)の確定にはPCR法を用いた。PCR検査は、当初は各地方の専門検査施設で行われていたが、流行が広がってからは地元の検査施設で行われた。いずれの検査施設も、その検査精度についてはオーストラリア国立臨床検査機関協会またはニュージーランド国際認定機関の認定を受けている。また、一ヶ所の専門検査施設では、赤血球凝集抑制試験で2009N1H1インフルエンザウイルスの特異抗体を検出することによって、2009N1H1インフルエンザウイルスの診断確定が行われた。オーストラリアおよびニュージーランド、そして両国の地域ごとの人口データは、オーストラリア統計局およびニュージーランド統計局から得た。

対象患者について以下のデータを収集した:年齢、人種または先住民族を含む民族(患者自身または近親者の申告に基づく。18歳未満の患者では親または保護者の申告に基づく。)、性別、妊娠、出産から28日以内、基礎疾患(16歳以上ではAPACHEⅢスコア[0~299点であらわされ、点数が高い方が重症]の基礎疾患部門の評価で定義されている状態について、16歳未満では早産、免疫不全、繊維嚢胞症、先天性心疾患、神経筋疾患または慢性神経疾患)、喘息またはその他のCOPD、糖尿病、体重および身長の実測値または予測値、初発症状出現日時、インフルエンザ症候群発症の有無および様態(ウイルス性肺臓炎またはARDS、細菌性肺炎の併発、喘息またはCOPDによる閉塞性障害の増悪、経過中に併発した疾患)、ICU入室時の気道確保の種類(気管挿管、気管切開、フェイスマスク、その他何らかの人工的なエアウェイ使用の有無)。

患者を以下の年齢区分によって分類した:0-1歳、5-24歳、25-49歳、50-64歳、65歳以上。人工呼吸もしくはECMO実施の有無については毎日記録した。ICU入室期間および入院期間、オーストラリア、ニュージーランドおよび両国の地域ごとのICUベッド使用率を算出した。ICUにおける転帰と、2009年9月7日時点で患者が退院しているか、もしくは依然入院中またはICU入室中か否かについて記録した。本年のデータと、去年までのデータを比較するため、オーストラリア・ニュージーランド集中治療(ANZIC)学会の成人患者データベースから2004年から2008年冬期にICUに入室したウイルス性肺臓炎症例の患者数を入手した。このデータベースでは、ウイルス性肺臓炎の原因については分類されていないため、A型インフルエンザ以外のウイルスによるウイルス性肺臓炎の患者を含んでいる可能性がある。2009H1N1インフルエンザでICU入室を要するほど重症化する危険性が高い患者群を同定するため、各評価項目について、オーストラリアおよびニュージーランドの一般人口に占める割合と、2009H1N1インフルエンザICU入室例において同じ項目に当てはまる患者の割合を比較した。

データ管理
電子化された症例報告書を用いてデータを収集した。メルボルン(オーストラリア)に所在するモナシュ大学ANZIC研究センターを研究とりまとめ施設とした。オーストラリアおよびニュージーランド両国において2009H1N1インフルエンザウイルス感染症例については報告義務を課し、各州または各地域の衛生局で診断を確定した。さらに、確実に感染例が報告されているかどうかを確認するため、研究期間終了時(2009年8月31日)に一例も報告のなかったICU83施設に直接問い合わせた。あるICUから他のICUへ移送された患者については、ICU入室例としては一例と数えた。逸失データについては、仮定データの使用は一切行なわず、割合はデータのそろっている患者について算出しパーセントであらわした。

教訓 オーストラリアおよびニュージーランドでは、新型インフルエンザのパンデミックに南半球における冬が重なるという事態に6月から8月にかけて見舞われました。この期間のオーストラリアおよびニュージーランドにおける2009H1N1インフルエンザウイルス感染の発生率は、同時期の米国における発生率の8倍でした。2009H1N1インフルエンザウイルスの流行によって、集中治療部門の需要が大幅に増加しました。

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