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喘息最前線2008~肥満 [critical care]

Update in Asthma 2008

Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2009年5月15日号より

肥満と喘息

肥満と喘息に関連があるかもしれないということに興味が集まっている。その関連性については、たまたま合併しているという説から、因果関係があるとする説まで様々な仮説が示されている。一般的に、喘息患者、中でもとりわけ女性はBMIが高いほど、生理学的に予測されるよりも息切れに類する症状を訴えることが多い。前述のHaldarらの研究では、プライマリケアコホートに属する「肥満で好酸球増多のない」クラスターにはBMIの高い(平均>35)女性が多かった。そして、呼吸機能は他のクラスターと同等であったにも関わらず、症状スコアは最も高かった。このように症状と理学的所見が乖離する理由については、複数の研究者が調査している。Sutherlandらの研究では、軽度ないし中等度の喘息を有する肥満女性を対象にメサコリンテストが行われた。気管支収縮が発生する前および最も強い気管支収縮が起こっているときのそれぞれの肺容量においてメサコリンを投与したところ、ダイナミックな過膨張が認められ(FRCが増え)、これが呼吸困難感を増強する原因であると考えられた。別のもっと大規模な研究では、痰および血液中の炎症性マーカの計測が行われ、喘息患者では肥満群も標準体型群も同じような細胞およびサイトカイン特性を示すことが分かった。つまり、肥満と喘息のあいだに生物学的な関連性があるというエビデンスは得られなかったことを意味する。別のグループの研究は、肥満喘息患者におけるステロイド不応性を調査し、血中の単核球および肺胞洗浄液中の細胞のデキサメサゾンに対するin vitroでの反応が肥満患者では鈍麻していることを明らかにした。以上の研究で得られた知見を総合すると、常套的な検査手法(スパイロメトリーや症状スコア)は、肥満喘息患者では病態を性格に反映しない可能性があると考えられ、肥満患者が増えている現況を鑑みると、この患者群における新しい評価法を確立する必要があると考えられる。さらに、小規模コホート研究では、肥満患者が非肥満患者とは異なる痰や血液の病理生物学的所見を有することを明らかにはできなかったとはいえ、通常の喘息で認められるようなステロイドに対する細胞環境の変化が肥満喘息患者で発生すると、喫煙によるのと同じように病状を増悪させる可能性がある。

教訓 喘息と肥満の関係はまだはっきりしていませんが、肥満の喘息患者ではステロイドに対する反応が鈍麻しているというデータがあります。
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