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喘息最前線2008~小児① [critical care]

Update in Asthma 2008

Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2009年5月15日号より

小児喘息:喘鳴、ウイルス、ステロイド

小児の喘鳴に関する論文が今年も何本か発表された。この手の論文は、主にウイルス感染に起因する単発性の喘鳴を扱ったものと、アレルゲン・冷気・煙への曝露やウイルス感染など複数の原因によって引き起こされる喘鳴を扱ったものに分けられる。後者の喘鳴を呈する場合は、喘鳴が頻繁に発生したり(感冒に関係しない喘鳴を含む)、家族歴があったり、他のアレルギー疾患(湿疹、吸入アレルゲン・乳製品またはナッツなどへの感作、血清中の好酸球増多など)があったりすると、6歳以降に持続型喘息に移行するリスクが高い。目の前の症例がどちらのタイプの喘鳴なのかの判断や、短期的にせよ長期的にせよステロイド投与を行うべきかそうでないのかの決定が、臨床の現場で迷うところである。

ウイルスと喘息の危険性

どのウイルスによる感染、どのタイミングでの感染が問題なのだろうか。喘鳴を呈する就学前児童におけるウイルス感染の影響と、(6歳以降)持続型喘息発症の将来的リスクについての研究が複数発表されている。テネシー州メディケイド受給世帯の出生コホートを対象とした5年間にわたる大規模疫学調査(n=95310)の結果、幼児期におけるウイルス暴露のタイミングが重要な意味を持つことが分かった。気管支炎(「ウイルス曝露」の代替指標)による入院が最も増える時期に生後122日(4ヶ月)を迎えた乳児では、3歳以上になったときに喘息を発症する可能性が29%高いことが分かった(喘息発症の有無は喘息治療薬の使用歴や医療費請求コードから判断)。Childhood Origins of ASThma (COAST) 研究では、喘息ハイリスクコホート(n=259)の患者が喘鳴を伴う病態を示した際(出生時から6歳時まで)に鼻腔内洗浄液を採取し、6歳時点での喘息リスク増大と関連するウイルスの種類についての調査が行われた。誕生から3歳になるまでの時期に喘鳴があった患者では、RSウイルスが喘息リスク上昇と関係していた(OR 2.6)。さらにリスクを上昇させるのは、ライノウイルスであった(OR 9.8)。3歳時点でライノウイルスによる喘鳴を訴えた患者では喘息のリスクが顕著に上昇し(OR 25.6)、吸入アレルゲンによる感作(OR 3.4)よりも喘息発症リスクが大きかった。以上から、ウイルス曝露のタイミングが重大な影響を及ぼし、すべてのウイルスが同じように喘息の誘因となるわけではないことが分かる。

教訓 生後4ヶ月の時点でウイルスに曝露された場合、3歳以上になってから喘息を発症するリスクが高くなります。ウイルスの種類では、ライノウイルスが最も喘息リスクを上昇させます。
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