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喘息最前線2008~小児② [critical care]

Update in Asthma 2008

Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2009年5月15日号より

喘鳴を呈する小児における気道感染の治療

急性喘鳴を伴う疾患に対する短期間の経口もしくは大量ステロイド療法に関する2編の臨床試験が行われた。両研究とも、(複数誘因による喘鳴ではなく)単発性の喘鳴が評価対象とされている。2編のうち大規模な方(n=687)の試験では、単発性の重症喘鳴で入院した就学前児童に対してプレドニンを5日間投与し、その効果が評価された。短期間の経口ステロイド投与を行っても、入院期間は短縮せず、喘息高リスク群に限った解析でも同様の結果であった。これより小規模なもう一方の研究(n=129)では、アトピーや喘息発症リスクのない就学前児童が対象とされた。喘鳴発生時から短期間の大量吸入ステロイド投与により、経口ステロイドのレスキュー使用が減ることが示された。この治療方法はリスク(身長および体重の伸びが停滞する)がないわけではなく、対象患者を厳密に設定した研究であるため、喘鳴を呈する就学前児童に全般的に当てはめるのは困難である。

Childhood Asthma Research and Education (CARE) Networkは、気道感染に起因する喘鳴がある就学前児童(n=238)に対し吸入ステロイド(ICS)またはロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)を7日間投与した場合の効果を評価する目的で、無作為化二重盲検偽薬対照比較試験を行った。全対象患者について短期間ICSまたは LTRAと偽薬を比較したところ、喘鳴症状のない期間およびOCSレスキュー使用の回数については差が認められなかった。しかし、ICSまたはLTRA使用群の方が症状が軽く、特にLTRA群でその傾向が強かった。一方、喘息予測指標(API)陽性(n=144)もしくは経口ステロイド投与の既往がある患者から成るサブグループでは、短期間ICSまたはLTRAによって大きな効果が得られ、症状がより軽くなる。以上の結果はPrevention of Early Asthma in Kids (PEAK) 試験の結果と一致するものである。PEAK試験では、API陽性の小児にICSを使用したところ、2年の治療期間中における無症状日数の増加および増悪事象の減少が認められた。この二つの研究をあわせて考えると、喘息発症の有意な危険因子のある小児では、ICSまたはLTRAを投与することによって、喘鳴を軽減したり、喘鳴発作の頻度を減らしたりする効果が得られる可能性がある。ただし、ICSあるいはLTRAによって喘息の発症を抑えられるというわけではない。ICSの危険性と有益性についての短期投与と長期投与の比較研究が課題である。特に喘息発症リスクのある就学前児童における短期あるいは長期ICSの危険性と有益性についての研究を実施する必要がある。現時点では、就学前児童における喘鳴を伴う急性疾患の大多数では、ステロイド療法を支持するエビデンスは示されていない。

教訓 喘息発症の有意な危険因子のある小児では、ICSまたはLTRAを投与することによって、喘鳴を軽減したり、喘鳴発作の頻度を減らしたりする効果が得られる可能性がありますが、ICSあるいはLTRAによって喘息の発症を抑えられるというわけではありません。
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